【世界遺産】謎に包まれたユダヤ教に触れる!プラハの旧ユダヤ人墓地と儀式の家

こんにちは。スウェーデン在住のフリーライターの西崎 莉緒(@RioNishizaki)です。

チェコ共和国の首都プラハにあるユダヤ人地区「ヨゼフォフ」は、ヨーロッパ最大のユダヤ人街です。ユネスコの世界遺産にプラハ歴史地区の一部として、旧ユダヤ人墓地と、新旧シナゴークが登録されています。

ユダヤ人墓地では、映画「シンドラーのリスト」のラストシーンにも登場する、墓石の上に小石を置く独特な風習など、日本ではあまり出会うことのない謎に包まれたユダヤ教の文化を実際に目にすることができます。
今回はヨゼフォフの中でも、特に神秘的な魅力に包まれた旧ユダヤ人墓地と、儀式の家をご紹介します。

プラハの中心地を流れるモルダウ川のほとりにあるユダヤ人地区では、ユダヤ教の祈りの場シナゴークや旧ユダヤ人墓地などが観光施設として運営されており、様々な展示を見る事ができます。

折り重なるように建つ墓石が独特の世界観を醸し出しているユダヤ人墓地は、かってプラハで暮らした著名なユダヤ人が多く眠っています。

 

1万2000基の積み重なる墓石が圧巻!

ここがプラハの首都であることを忘れてしまうほどの漂う異国情緒。
現在は1万2千ほどの墓石が見られますが、さらに約10万人のユダヤ人が眠っていると言われています。

この墓地にある一番古い墓は、1478の年のもので、最後の墓石は1787年のものです。
当時ユダヤ人は限られた敷地しか与えられず、常に土地不足の問題がついて回りました。

先祖を敬う考えを強く持つ彼らは、古い墓を壊すことを避け、古い墓石の上に土を被せて新しい層を作り、更に墓を立てました。12層にもなる部分があると考えられています。

かなりの数の墓石が傾いてしまっており、年季を感じます。
止まった時の中で、生きる新しい緑の美しさ。

 

墓石の上に置かれた小石の謎

旧ユダヤ人墓地を歩いていると、西洋や日本のように花が置かれていることがなく、墓石の上に乗せられた小石に気が付くことでしょう。
黒ずんだ古い墓石の上に、最近置かれた小石が至る所にあります。

これはユダヤ教のお墓参りの儀式の一環で、石が置かれる理由は諸説がありますが、死者や先祖に敬意を示し墓参りに来たことを示すために石を置いている、墓地にいる死者の霊を鎮めるための役割などという説があり、とても興味深いものです。

当初プラハはユダヤ人に寛容な社会でしたが、指導者次第でユダヤ人を取り巻く状況は日々変化し、長い歴史の中では、迫害や差別により困難な時代が続いたのです。
中世のプラハではユダヤ人に好意的な王が続いたことで、経済や文化が大きく発展しました。

商人のモルデハイ・マイゼルは宮廷ユダヤ人として地位を獲得しました。彼は自分の死後に財産が没収されると考え、ユダヤ人コミュニティーの為に、学校や病院、地域の環境整備をし、その時にユダヤ人墓地を寄進したと言われています。

プラハのヨゼフォフは、16世紀から17世紀に繁栄を極めましたが、その後は再びユダヤ人にとって困難な時代が続きました。

 

儀式の家を見学

墓地の奥にある建物は「儀式の家」と呼ばれており、かつては埋葬する前の死体を安置していた場所で、葬儀場のような役割をはたしていました。

現在は博物館として利用されており、ユダヤ人の習慣や生活様式に関する展示を見る事ができます。

特に展示されている食器類の一つ一つに施されているヘブライ文字の美しい装飾に注目して見て下さい。

小さな博物館ですが、独特の唐草模様の美しい装飾や、ダビデの星の装飾が施されており、ユダヤ教の世界を体感する事ができます。

世界的観光地のプラハにユダヤ人街がある事は以外に知られていません。
困難な時代を生き抜き、自分たちの文化を残したユダヤ人たちの歴史に触れて見ませんか?